ご挨拶

 
 本学会は、脳神経の機能異常に対する基礎的・臨床的研究および脳神経血管減圧手術に関する医学の進歩を促進し、広く知識の交流を行うことを目的に1998年に設立された伝統のある会です。私はこの第23回目の学術集会を担当させて頂くことになり身の引き締まる思いです。20年以上続くこの会の活動により、日本の脳神経減圧術の手術成績や安全性は着実に向上してきました。脳神経減圧術は経験を積んだ術者には比較的短時間で終わり、患者も術者も大きな喜びを分かち合えるとても嬉しい手術です。しかし時に想定外の高難度例に遭遇することもあり、合併症は決してゼロにはなりません。毎年0.1%ずつ成功率を高め、毎年0.1%ずつ合併症率を減らす努力を生涯続けなくてはなりません。
 今回の学術集会では「歴史に学ぶ:MVDの光と影」をテーマに、この分野を開拓した先人のプラス面とマイナス面をくまなく振り返ることで、参加者の方々に見識と技術を高めていただければと思います。とくにベテランの演者の先生方には影の部分も語って頂くことで、後進が同じピットフォールに落ちないよう導いて頂ければと思います。日々の臨床に役立つプログラムを企画し、会員相互の有益な交流を図りたいと願っております。本学術集会の運営が、コロナ禍という未曽有の災害に影響を受ける可能性も否定できませんが、精一杯の準備をさせて頂きます。どうぞ本会の趣旨にご賛同頂き、より充実した学びの集いになる様に、皆様のご支援・ご協力を賜りたく存じます。新潟でお会いできるのを楽しみにしております。

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